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敷金返還請求

敷金は返ってくる

引っ越す際に,管理会社の立会いがあり,あれよあれよという間に,傷や汚れを指摘され,敷金がほとんど返ってこなかった,お金をさらに請求されてしまった・・・。皆さんにもこのような経験はありませんか?

契約時に敷金返還に関する細かい取り決めをしておけばよいのですが,借りる立場ということもあり,契約時にはなかなかそのようなことはできないものです。
また,大家や管理会社から送られてきた精算書の説明を求めるのも気が引けます。そのため,借主の多くは,精算書に疑問を抱きつつも,結局は応じてしまいます。

しかし,敷金というものは,本来借主が毎月の家賃を支払い,普通の使い方をしていれば,ほとんどが返還されなければならないものなのです。全額を取り戻すのは難しいかもしれませんが,正当な主張をしたところ,引越代金がいくらか賄えたという話や,請求されていた金額が0になったなどという話は少なくありません。たとえ裁判になっても,借主にとって有利な解決となる場合が多いのです。

敷金返還のポイントは,家賃を毎月きちんと支払っていたならば,「賃借人の故意,過失による汚損,破損に対する補修費用」だけしか差し引かれないということです。つまり普通に生活している中で生じたクロスや水周りの汚れ,塗装のはげなどは差し引かれないことになります。

また,畳表の交換,襖紙の交換,クロスの張り替えなどの費用は,その部屋を次の人に貸すという再商品化のための費用であり,家主が負担するべきものです。借主がこれらの費用を負担する義務はないわけです。


敷金の正しい負担のあり方

貸主負担 借主負担
畳の変色
フローリングの色落ち
家具の設置による床,カーペットのへこみ,設置跡
テレビ,冷蔵庫等の後部壁面の黒ずみ
エアコン設置による壁のビス穴,跡
クロスの変色
壁に貼ったポスターや絵画の跡
鍵の取替え(紛失のない場合)
網戸の張替え(破れなし)
全体のハウスクリーニング

キャスター付きの椅子等によるフローリングの傷,へこみ
冷蔵庫下のサビ跡
引越作業で生じた傷
壁の釘穴,ビス穴
台所の油よごれ
ペットによる傷
風呂,洗面所,トイレのカビ,水垢

タバコのヤニ


特約がある場合はどうなるのか?

契約書に「退去時の室内清掃費は借主負担とする」という特約がある場合や,「退去時敷金より賃料の弐ヶ月分(もしくは8割)を償却する」という特約がある場合はどうなるでしょうか?
契約書に署名捺印してしまっている以上は,特約どおり借主が清掃費を全額負担しなければならず,また,敷金は無条件に償却されてしまうのでしょうか?

この場合でも,争う余地は十分にあります。なぜなら,契約を結ぶとき,借主よりも貸主の方が情報力,交渉力ともに強い立場にあることから,借主から特約を削除するよう申し入れることなど事実上不可能ですし,特約の意味をきちんと説明されていない場合がほとんどだからです。

実際に,最高裁判所も平成17年12月16日の判決で,借主の使用により発生する通常の損害は,当然予定されるものであって,貸主が賃料の中から補っているのであるから,特約で通常の損害を借主に負担させる場合には,借主が負担することになる損害の範囲が契約書に具体的に明記されているか,明確な合意が必要であると判断しました。

どのような場合に「明確な合意」があったかが問題とはなりますが,この最高裁判所の判例では,特約がついていたとしても,ほとんどのケースで,普通に生活している中で生じた汚れや傷などについて貸主が負担するべきとしているようです。

また,退去時に無条件に敷金を償却する「敷引特約」についても,近年の裁判例で,無効と判断されているものがいくつもありますので諦めずに一度専門家に相談してみてください。


敷金返還の手続の流れ

1 当事務所にご相談いただき,敷金返還請求の代行を受任させていただきます。
2 まず最初に貸主に対して,司法書士が代理人となった旨の通知をします。
3 内容証明郵便にて敷金返還の請求をします。
4 再度,貸主と交渉をします。
5 話がまとまらない場合には訴訟をして裁判に持ち込みます。

認定司法書士は,弁護士と同じようにお客様の代理人となり,相手方と交渉することが認められています。また裁判を起こすことも可能です。弁護士,認定司法書士以外の者が,有料で法律相談,示談交渉を行うのは,弁護士法・司法書士法違反となりますので,どこに相談するかについては注意が必要です。


敷金返還請求の費用

【敷金返還請求代行】
着手金5万2500円+成功報酬(減額分×10%、返還分×20%)

  • ※訴訟になった場合には,別途,印紙代,郵券代等実費代がかかります。

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